なぞなぞ第五問解答 [イェルクッシェ]
「第五問 解答」
イェルクッシェの隣でポイトコナが蓮華座を組みました。
そうしてツバを頭に付けると、目を閉じました。
「ポイトコナくん何だか面白そうだね。」
イェルクッシェが興味深そうに周りをぐるぐる回りました。
「ふぁうが見せてくれたテレビでやってたの。橋を渡っちゃいけない時はこうして考えるんだ。」
「へぇ~そうなんだ。じゃ、僕もやろ~っと!」
イェルクッシェも真似しようと横に座りましたが、どうもうまく行きません。
足を持ち上げてはひっくり返り、それが面白いらしく、何度も繰り返しては一人でけらけら笑いました。
でびびはつり橋のところにゆき、橋と谷底を交互に調べ、お目々をぱちくりした後、手すりになっている蔓を確かめました。
「ここを渡って行けないかしら。ここなら橋じゃないような気がするのだけど。」
でびびの見上げる蔓の所にカシムはやってきて谷の深さと蔓の不安定さを見て首を振りました。
「僕はサーカスの綱渡り男じゃないんだ。」
でぴぴはお耳をと頭を垂れ、肩を落としました。
「やっぱり他の道を探すのが安全ね。」
カシムは首をすくめました。暗くなる前に他を回って対岸に出る自信がなかったのです。
その時ノドが言いました。
「こんなのはどうでしょう。」
ノドはカシムとでぴぴの耳元で自分の考えを囁きました。二人が納得の笑みを浮かべた時、突拍子もない奇声があがりました。
驚いて振り返るとポイトコナが仰向けに倒れて痙攣していました。
「わぁ!ポイトコナくん、それも面白そうだなぁ!僕もやってみよ~!足をぴくぴくさせるんだね?それ!ぴくぴくぴく・・アハハハ面白いなぁ!あれ?ポイトコナくんのほうが早いな。ようし負けないぞ!ぴくぴくぴくぴく!!アハハハ!」
「イ゛ェルグッジェぐん・・足触るなんて・・酷いよ・・痺れているんだ・・・」
イェルクッシェはひっくり返ったままきょとんと首を傾げました。
カシム達はのん気な二匹に呆れたため息をつきました。
そんな事もありながら一行はつり橋の上をトコトコ歩いてゆきました。
イェルクッシェが周りを覗き込もうとしたり、揺らしてみようとしましたがでぴぴがそういう事はいけませんとたしなめました。
何事もなく対岸に着いた時です。目の前に見上げるような巨体が現れました。そしてそれは恐ろしい声をぶつけてきました。
「おい小僧ども!橋を渡ってきたな!生き肝を渡してもらおう!」
辺りの木々も震えそうな声にリヴリー達は思わずカシムの後ろに隠れました。しかし、隠れながらノドが叫びました。
「僕達は橋を渡ってなんて来ていません!」
「そうだよ!きてないよ?!」
ポイトコナもやや震えた声で言いました。
トロルはにやりと笑いました。
「そこまで言うのならばどうやってここへ来たか言って見ろ!」
トロールがお顔を近づけて凄んだものですからリヴリー達は五跳びも逃げて振り返りました。
「ホントだもん!」
今度はイェルクッシェが叫びました。
そしてノドも言いました。
「僕達は橋を渡ってきたのではありません。ターバンの上を歩いてきたのです。ターバンは橋の上に乗っていましたが、僕達は橋を渡ったのではなく、カシムくんのターバンの上を渡ってきたんです。途中で届かなくなったら歩いてきた所を引っ張り戻して今度はそれを敷いてきました。」
「だから私たちは橋を渡ったんじゃないわ。」
でぴぴも両手を握って言いました。
それを聞くとトロールはぐいっとカシムにお顔を寄せて睨みつけました。
でぴぴがお目々を隠したとき、地面が震えそうな大笑いが聞こえました。
「面白い奴等だ!この俺様相手にそんなふざけた手を思いつくなんてたいしたものだ。いいだろう気に入った!お前達は通っていい!次はターバンの上でなくてもな!ハッハッハ!」
その笑い声が恐ろしくてでぴぴは涙がにじみましたが泣き虫は食い殺すなんていわれたら大変とばかりにそれを隠しました。
(橋を渡らずに谷を越える方法はターバンを敷き、その上を渡るでした。)
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ノド:僕ね、カシムくんのターバンとっても格好よくてね、
うらやましかったんだ^^
僕がこれを思いついた時、武彦さんはね?
「頭の上に乗せるモノの上を歩いて申し訳ないかな?」って言ってたの。
でもカシムくんはにこっり笑って、
そうしましょう、って言ってくれたんだよーw
by takehiko (2009-10-14 21:54)
イェルクッシェ:そうだったねぇ!落っこちないように上手にみんなで歩いたんだ。
僕はこういうの上手なんだよー!
by xephon (2009-10-15 00:38)