奇跡の起こらない聖夜(創作) [創作]
奇跡の起こらない聖夜
第一幕:子供の事情
第一場:教室で
賑わう休み時間の教室中が注目したほどに、どっと起こった笑いがとり囲む中で、拾ったばかりのごみを屑籠に放ると、周りに反発するように彼は軽くあごをあげた。
おかしなことは言っていない、お前らがおかしいんだと、無言のままに眼差しで語る。
その様子にひときわ大柄な少年が明らかな侮蔑を声に混ぜて言った
「ジャスティン君はいくつかなぁ?もう五歳になったのかなぁ?」
「お前と同じ十歳だよマック。」
そう呼ばれた大柄な少年は再び笑った。
「十歳にもなってなんだって?サンタがいる?おい聞いたかみんな。」
周りの者達も口々に彼を馬鹿にするような言葉を漏らした。