なぞなぞ第五問 [イェルクッシェ]
「第五問:この橋渡るべからず!」
翌朝、旅の支度を整えた一行が北の山に差し掛かる頃、お日様はもう今日のお勤めを半分終えていました。
まだ明るい筈なのに北の山は何故か薄暗く、人を寄せ付けない雰囲気で、木の影や岩肌までもが得体の知れない化け物のように見えました。
何を見ても面白がるイェルクッシェは道草ばかりして仲間たちに頻繁に呼び戻されました。
ポイトコナはちょっぴり背中を丸めてカシムのポケットから辺りを見回していました。
ノドとでぴぴはカシムの横を跳ねながら魔女についてあれこれ意見しあっていました。
と、前方が開け、谷が現れました。
そこにはちょっと長めの釣り橋が架かっていました。
イェルクッシェは大喜びして渡ろうと急ぎましたがカシムが制しました。立て札があったのです。
「この橋渡るべからず。渡りたくば人の生き肝を差し出すべし。(どこぞの小坊主のように真ん中を通る事もならぬ。)谷底のトロール」
リヴリー達は立て札を見上げました。
「これは困りましたね。」ノドが頭をかきました。
「トロールって人食い鬼よ。」でぴぴは首を縮めて言いました。
「鬼なら仲間だね!」イェルクッシェが嬉しそうに言いましたがポイトコナが大きく首を振りました。
「響鬼さんたちとは違うんだよ!人間を食べるんだ。」
「ええ!?じゃぁやっつけなくっちゃ!」鈴を取り出すイェルクッシェでしたがカシムがなだめました。
「暴力を使わないのがいちばんだよ。」とてもかなわない相手だなんて言えません。言えばトロールの前に矛先が向けられそうですから。
「そうだね。喧嘩はいけないよね。」イェルクッシェはあっけなく鈴を収め、なんて書いてあるの?と小首を傾げました。
そしてその意味を聞き、腕を組んで座り込みました。他の者も思い思いの考えるポーズをとりました。さて、この橋を無事に渡る方法は生き肝を差し出す以外にどうすれば良いのでしょう。
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ノド:こちらから、あっちまで
通るだけなのに、何かをよこせなんて
欲張りなトロールだよねぇ!
でもこんな山の中で中々来ない人間を
ひとりぼっちでずうぅ~~っと待っていたら
やっぱりちょびっと意地悪になっちゃうのかもしれないね・・?
でも「イキギモ」とられちゃったら・・・・、とっても困るよね?
ううぅんとかんがえなくっちゃっ!!
by takehiko (2009-09-20 16:50)
イェルクッシェ:人間が来ないときは何を食べていたのかなぁ?普通のご飯食べないのかなぁ?きっとぽりぽりのお菓子のほうがおいしいのにねぇ。
by xephon (2009-09-22 23:44)